共鳴する歌声とは?科学的な解釈から歌声の出し方までを解説! | ざワルーム

共鳴する歌声とは?科学的な解釈から歌声の出し方までを解説!

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音の科学

声を共鳴させると、豊かな歌声になります。と、よく耳にします。

しかしながら、
「どのように歌声を共鳴させればいいのか?」
「そもそも共鳴とは何か?」
と疑問に思う方もいるかもしれません。

そこで、今回は共鳴の物理学および生理学的な解釈から紐解き、共鳴する歌声を出す方法を解説します。

共鳴の物理的な解釈

共鳴させた歌声を出すには、まず共鳴の意味を知る必要があります。声は、空気の振動によって様々な場所に届けられているため、物理的な波の性質を色濃く持つ点が特徴です。

本項では、共鳴について知るために、共鳴の物理的な意味について解説します。

共鳴の物理的な意味

共鳴とは、波の反射と干渉によって特定の周波数が強調される現象です。
例えば、鐘の音を思い出してください。鐘の音は、鐘の中から音が響き、何度も同じ音が聞こえるように感じるかもしれません。
上記は、鐘から出ようとした音の一部と、鐘の底で跳ね返った音が衝突(干渉)して、その場で揺れ続けた結果です。

音は、鐘の様に一方が開き、もう一方が閉じたモノ(閉管)では、口を境に折り返すように反射し、鐘の底で反射した音は元の道筋を辿るように進む性質を持ちます。
そのため、上図の様に同じ音(同じ周波数)による進行波と反射波の波形は一致する点が特徴です。

また、上記の波が重なると、その場で振動を繰り返す波(定常波)へと変化し、特定の周波数を強調する波になります。

これが、共鳴という現象です。

このように、共鳴は反射した音が干渉しあうことで、特定の音を強調させ、元の音とは違う響きを表現する現象と言えるでしょう。

音の高低について

共鳴とはやや話がそれますが、音を解釈する上で音程の高低も重要な要素です。音の高低は、波長の長さによって変化します。

例えば、上の図の様にギターを鳴らすシーンを思い浮かべてください。
ギターは、ブリッジサイドに近いフィンガーボードを押さえるほど高い音が出ます。
これは、フィンガーボード上の押さえた指とブリッジ間の弦が短くなるため、音を発する波長が短くなるからです。

このように、音は波長が短くなるほど高い音を発するとわかります。

共鳴の生理学的な解釈

共鳴は、音の反射と干渉を繰り返し、特定の音を強調させる現象です。上記は、ヒトの声にも深く関わっており、共鳴する歌声を出すには生理学的な解釈も必要です。

本項では、声帯や喉の役割および声の特性を決める要素について解説します。

声帯と喉

ヒトは、肺からの空気で声帯を震わせて音を生み出し、喉・口・鼻などで共鳴させて、声を出します。その時、送り込まれる空気によって左右の声帯が合わさり、波を起こします。
そのため、声帯の長さが音の高低を決める要素と言えるでしょう。

一方、喉は咽頭と喉頭に分かれており、咽頭は口を開けると見える空間、喉頭は声帯から食道に差し掛かるまでの空間を指します。
上図の様に、声帯から発せられた音は喉頭・咽頭・口腔(および鼻腔)を通ります。
そのため、声の音色は声帯の質とあわせて、喉・口・鼻における共鳴も大きく影響を受ける点が特徴です。

このように、声帯と喉は声の高低や響きに対して重要な役割を果たしていると分かります。

声の特性を決める要素

前述の通り、声の特性(音程や音色)は声帯と喉の状態によって変化します。

  • 声帯の長さと音程

音程は、声帯の長さによって変わります。これは、声帯が弦の役割を果たしており、弦(声帯)が短ければ、高い音。弦(声帯)が長ければ、低い音になるからです。

また、ヒトは声帯を引き延ばして高い音を、緩めて低い音を使い分けられます。そのため、男声であっても高い音を、女声であっても低い音を発声できます。
しかしながら、声帯の長さに上限があるため、低い音には人によって限界がある点も特徴の1つです。

  • 喉の広さと音色

声の音色は、喉・口・鼻での響かせ方により変化します。特に、喉の広げ方および鼻腔での響かせ方が音色を決める重要な要素です。

喉を狭めた発声では、喉頭が上がり気味となり、口腔が狭くなります。そのため、口が横に開き、硬い印象の声になる点が特徴です。
一方、喉を広げた発声では、喉頭が下がり、音を通る空間が広くなります。そのため、口は縦に開き、丸みのある声につながります。

  • 鼻腔と共鳴

声帯で発せられた音は、口腔とともに鼻腔にも届いており、鼻腔への響かせ方で印象の違う音色の表現が可能です。
そのため、鼻腔と口腔をつなげる意識を持って発声することが豊かな響きにつながると言えるでしょう。

歌声を共鳴させるには?

前項では、生理学の観点から声帯や喉の共鳴について解説しました。
響きのある声の実現には、喉を広げたり、鼻腔に音を響かせたりすると、豊かな声につながります。

本項では、喉の広げ方および鼻腔への響かせ方を解説します。

のどを広げるには?

喉を広げると、声帯が十分に振動でき、音を共鳴させる空間が広がります。そのため、丸みのある豊かな響きにつながります。
喉を広げるには、舌根(舌の付け根)を下げるように発声することがポイントです。舌根が下がると、奥にある喉頭蓋が上がり、声帯の上部に空間が広がります。
そのため、音が共鳴する空間が広がり、広がりのある音色を奏でられます。

しかしながら、無理に喉を開けようとすると、かえって喉を狭くしてしまうケースも少なくありません。
そこで、喉を広く保つために口を縦に開くように意識して、以下の様に練習すると効果的だと言われています。


  1. 手に温かい息を吹きかけて『1,2,3,ハッ』と発声する
  2. 喉に冷たい風を感じたかを確認する
  3. 身体が広がり、背中や後頭部にも顔があるようなイメージで歌う

また、耳のポケット(耳たぶの後ろにある口を開くと凹む場所)を意識すると、口を縦に開く状態を把握できます。
加えて、耳たぶの前にある顎の関節にくぼみができる様に歌っても口を縦に開く状態になるので、好みの方法で試してみると良いでしょう。

鼻腔に声を響かせるには?

鼻腔で声を響かせるには、鼻腔の響きを知る必要があります。
上記を確認するには、まずハミングをして鼻の辺りの振動を確かめます。すると、鼻の付け根あたりで振動を感じられるのではないでしょうか。
そして、上記を意識しながら眉間に声を集めるイメージで歌うと、鼻腔共鳴を使った歌声が実現できます。

また、声帯に空気をより多く送ると、響きと声量を兼ね備えた歌声の実現につながります。
以下の記事では、より声量を増やせる腹式呼吸について詳しく記載しているので、あわせてどうぞ!

共鳴する歌声とは?科学的な解釈から歌声の出し方までを解説!まとめ

今回は、共鳴する歌声について、物理学および生理学の観点から歌い方までを解説しました。

共鳴する歌声は、喉を広げて、鼻腔に声を響かせることがポイントです。

本記事を参考に、共鳴する歌声の練習をしてみてはいかがでしょうか。

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