歌を上手に歌うためには、さまざまな発声法の違いを理解する必要があります。特に、地声と裏声の使い分けは歌唱力を左右する重要な要素です。
また、地声と裏声のメカニズムを知り、自分に合った発声法を身につけると、より表現の幅が広がります。
今回は、地声と裏声の違いを科学的な観点から解説し、それぞれの特徴や切り替え方を紹介します。
地声と裏声の違いは?
地声と裏声の違いは、声帯の使い方の違いです。それによって、地声と裏声にはそれぞれ歌声の音色や音域に違いがあります。
本項では、地声と裏声の違いを科学的な観点から解説します。
なお、地声および裏声の双方において腹式呼吸の習得が重要です。
以下の記事では、腹式呼吸のメカニズムや出し方を解説しているので、あわせてどうぞ。
地声とは?
地声とは、声帯全体が自然な振動で発声する発声法です。
声は、肺から送り出された空気が声帯を振動させ、喉・口・鼻で共鳴し、音となります。
この時、声帯に無駄な力を取り除き、リラックスした状態にすれば、より響きのある歌声につながります。
上記を実現するためには、声帯と音の関係を知り、発声時の呼吸をコントロールすることが重要です。
声は、声帯の振動数によって音の高さを、振動の大きさによって音の大きさを決めています。具体的には、声帯が細かく振動すれば声が高くなり、大きく振動すれば声が大きくなります。
そのため、腹式呼吸などを使って空気を取り込むと、より多くの空気を声帯に運べ、声帯振動にバリエーションを持たせることが可能です。
上記のように、上手な呼吸コントロールが、美しい地声発声に不可欠だと言えるでしょう。
裏声とは?
裏声とは、声帯の隙間を使った発声法です。
具体的には、声帯の隙間に空気を通して音を出しています。そのため、地声とは違い声帯をあまり振動させない特徴があります。
上記は、隙間風が高い音に聞こえる状況に似ています。
隙間風は、隙間よって空気の渦が発生させ、その空気の振動が音源となる現象です。
また、隙間が狭いほど、空気の流れが乱されやすく、より高い周波数の渦が発生しやすくなるため、高い音として知覚されます。
上記のように、裏声は声帯の隙間に肺からの空気を通すことで、高音の発声が可能です。
また、裏声は地声とは声帯の使い方が異なるため、音色と音域に違いが現れます。そのため、裏声の習得は音域を広げたり、表現力を高めたりする上で非常に重要です。
地声と裏声の特徴
地声と裏声は、発声のメカニズムが全く異なります。そのため、地声と裏声には一長一短があり、歌唱時おける使い分けが重要です。
本項では、地声と裏声のメリットおよびデメリットに加えて、それぞれの切り替え方法を解説します。
メリットとデメリット
地声の最大のメリットは、自然で無理のない発声ができることです。地声を用いると、心地よい響きで低い音から中間の音域まで力強く歌えます。
しかしながら、高い音が出せなかったり、音域が狭くなったりというデメリットもあります。
一方、裏声を用いると地声よりも高い音域を表現できます。
しかし、発声に力が入るため、地声ほど自然な響きは出せません。また、長時間の歌唱では声帯に負担がかかる可能性もあります。
そのため、カラオケでの歌唱時では2つの発声法を自在に使い分ける必要があります。
具体的には、地声で低〜中音域を歌い、高音になると裏声に切り替えることで、広い音域をフルに活用することが可能です。
地声と裏声の切り替え方法
裏声は、高音域が出しやすくなる反面、中音域より低い音が出しにくい傾向があります。そのため、音程に合わせて地声から裏声(または、裏声から地声)へと切り替える必要があります。
しかしながら、上記の切り替えが上手くできずに声が上ずってしまい、音程を外すケースも少なくありません。
そこで、当サイトでは裏声を使って1曲を歌い切る方法をおすすめします。理由は、下図のように地声の最高音と裏声の最低音をオーバーラップさせると、それぞれの切り替えがより行いやすくなるからです。
また、上記の練習する際は選曲も重要です。
例えば、裏声で自分の声域よりも高い音域の歌を歌うと、力強くより高い裏声の練習につながります。
加えて、裏声を使うと少し低く感じる部分も登場するケースが多く、裏声の最低音の練習にも役立ちます。
このように、自分にとって少し高い歌を使って練習すると、徐々に裏声のコントロールができるようになり、自然な裏声の発声につながると言えるでしょう。
地声と裏声の違い〜原理を理解して歌声を磨こう〜まとめ
今回は、地声と裏後の違いを科学的に解説し、それぞれの特徴や切り替え方を紹介しました。地声と裏声の発声メカニズムを理解し、上手に使いこなすことで、より豊かな表現が可能になります。
本記事を参考に、地声と裏後の発声のコツを覚え、さまざま音域の歌に調整してみてはいかがでしょうか。
コメント