音楽の速さを表す言葉の中には、BPMとテンポがあります。しかし、これらの違いを詳しく知らない方も多くいるのではないでしょうか?
BPMとテンポの意味には、それぞれ少しニュアンスの違う要素が含まれています。
今回は、BPMとテンポの違いを定義や具体例を交えながら紐解いていきます。
BPMとテンポの定義の違い
BPMとテンポは、どちらも音楽における速度を表す指標です。しかし、その定義には微妙な違いがあります。
本項では、BPMとテンポの定義の違いを解説します。
BPM(Beats Per Minute)の定義
BPMは「分間拍数」と訳され、「1分間における拍の回数」という量的な測定値を示しています。そのため、BPM120は1分間に120回(1秒間に2回)の拍があるという意味を持ちます。
また、BPMの違いより楽曲の持つ印象が大きく変わります。
例えば、Mr.Childrenの「youthful days」という作品のBPMは148です。そのため、この作品はスピーディーな印象を持つのではないでしょうか。
一方、Mr.Children「Sign」のBPMは106です。この作品は、ゆったりとしたバラードという印象が強い言えるでしょう。
このように、BPMは音楽の速さを表す物理量の1つだとわかります。
テンポ(tempo)の定義
テンポは、イタリア語で「時間」という意味を持ち、音楽では曲の速さや流れを表現するために使用される言葉です。その意味には、速さの概念に加えて、楽曲の雰囲気を捉える質的な要素も含まれます。
例えば、テンポを表す以下の音楽用語は、BPMのように楽曲の速さを断定していません。
- allegro(アレグロ):速いテンポを示す
- adagio(アダージョ):遅いテンポを示す
そのため、同じBPMでも楽曲によってテンポ感が異なるケースも少なくなく、演奏への自由度を与えています。
このように、テンポは演奏者の楽曲に関する解釈や意図によって変化する質的な要素と言えるでしょう。
拍とは何なのか?
拍は、音楽を成立させる基本的な要素の一つです。また、拍は演奏や歌唱における「一つの基準点」となり、音楽的な時間を測る物理的な単位でもあります。
本項では、拍の音楽的な意味とBPMとの関係を解説します。
拍と拍子の音楽的な意味
拍とは、音楽において定期的に繰り返される強調点を意味します。また、いくつかの拍を一つのまとまりとして表現したものを拍子と言います。
例えば、カラオケなどで歌う際に、1つの音(拍)を区切って歌うのではなく、いくつかの音を繋げて滑らかに歌う方が多いのではありませんか。
この繋げられた音のかたまりを拍子と呼び、音楽的な強弱の周期を一つの単位として表現しています。
楽譜上では、上図のような拍子記号で記載され、上の数字が拍の回数、下の数字が音符の種類を示しています。
例えば、拍子記号4/4は4つの四分音符が集まり、1つのグループを作るという意味です。
このように、音楽の演奏や歌唱の際には、楽譜に書かれた拍にタイミングを合わせ、楽曲の再現性を保持していると言えるでしょう。
楽譜には拍の数(BPM)が記載されている?
楽譜には、ページの左上に「♪=数字」という記載があります。この数字がBPMを表しており、例えば「♪=120」であればBPM120の楽曲だとわかります。
また、メトロノームを使うと、BPMの時間的な間隔を体感することが可能です。最近ではアプリやブラウザ上で希望するBPMを再生することができ、楽曲のスピード感を体験できます。
このように、BPMの知識があると、演奏だけでなく、カラオケにおいてもリズムを取る際に役立つと言えるでしょう。
BPMとテンポの違いは?音楽的な意味や具体例と共に解説!まとめ
今回は、BPMとテンポの違いを用語としての定義から解説しました。
BPMは物理量としての役割が強く、テンポは音楽の質的な要素が強いことがわかりましたね。
BPMとテンポの違いを知って、より深く楽曲を知るキッカケになれば幸いです。
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