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地声と歌声の違いを知って歌唱力をアップさせよう!

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音の科学

私たちが日常で使う地声と、歌やパフォーマンスで響かせる歌声。
これらには、大きな違いがあります。また、地声と歌声の理解は、歌唱力の向上にもつなげることが可能です。

今回は、地声と歌声の違いを特徴や使い分けを含めて紐解きます。

地声と歌声の違いとは?

地声と歌声の特徴を知ると、歌唱時の感情表現を豊かにする助けになります。

本項では、地声と歌声の違いをまとめ、地声と歌声の使い分けについて解説します。

地声と歌声の違い

地声と歌声の違いは、無意識に声を出すか、意図的に声を作り出すかの違いです。以下は、地声と歌声の特徴をまとめた表です。

地声の特徴歌声の特徴
– 無意識に出せる
– 疲れにくい
– 身体面・精神面の影響を受けやすい
– 声域が比較的狭い
– 意識的に作り出す
– 疲れやすい
– 技術・訓練により表現を変えられる
– 声域が比較的広い

上表より、地声は無意識で出せるため疲れにくく、歌声は意識的に作り出すため体力を要する違いがあります。また、技術の習得によって様々な声を作りさせる点も歌声の特徴です。

このように、地声は普段から出している声を、歌声は地声に技術的な要素を加えた声を指していると分かります。

地声と歌声、どちらを使うべきか

多くの方は、「歌うときは常に歌声を使うべき」と考えるかもしれません。しかしながら、実際は以下のように曲のジャンルや表現したい感情によって、地声と歌声を使い分けることが大切です。

地声を活かすべき場面歌声を活かすべき場面
– ナチュラルな表現を求められる曲(フォークソングなど)
– 語りかけるような歌詞の部分
– 感情を素直に表現したい場面
– 高音や低音が必要な曲
– ロングトーンを歌う部分
– ダイナミックな表現が求められる曲

上表から、地声はより感情的な部分を、歌声は音楽としての表現を司っていると言えます。

そのため、歌唱時には自分の地声の特徴を理解しつつ、技術面を磨いていくと、感情を歌として表現できるアプローチにつながると言えるでしょう。

地声とは何か?

地声とは、普段私たちが会話で使っている自然な声のことを指します。具体的には、特別な技巧を使わず、リラックスした状態で出す声です。

本項では、地声の物理的な側面と音色の特徴を解説します。

地声の物理的な特徴

地声は、声帯の自然な振動によって生じる音波です。この振動は、肺からの呼気が声帯を通過する際に発生します。
そのため、声を音波として捉えると、地声(特に話声)には以下の物理的な性質があります。

  • 周波数:成人男性の地声(話声)は100-130Hz、成人女性は200-240Hz程度
  • 音圧:話声の音圧レベルは70-85dB程度(約1mの距離で計測した場合)
  • 倍音構造:声帯や共鳴腔の違いにより周波数成分が変わる

このように、地声は音域(周波数の幅)が狭く、身体的な特徴によって倍音構造(音色)が変わるとわかります。

地声の音色

地声の音色には、個性が強く反映されます。特に、以下のように身体的な要素と精神的な要素が色濃く反映される点が特徴です。

身体的要素

声は、声帯の振動と声道の共鳴によって音として現れます。そのため、以下の身体的要素によって声の音色が変わります。

  • 声帯の構造(長さ、厚さ、弾力性)
  • 声道の形状(咽頭、口腔、鼻腔の大きさと形)
  • 身体の大きさや体型

上記は、主に遺伝や成長過程で決定され、独特な声質の基礎となります。

精神的要素

地声は、下記の要素が声の使い方や表現の仕方に大きく影響を与えます。

  • 性格(内向的か外向的か、自信があるかないかなど)
  • 感情状態(喜怒哀楽など)

例えば、自信がある人は声が明瞭で大きいケースが多く、緊張すると声が震えたり、高くなったりするケースも少なくありません。

このように、地声は個人の身体的な構造や精神状態によって特徴が異なり、個性として表れやすい声と言えるでしょう。

歌声とは何か

歌声は、歌うときに意識的に作り出す声です。地声をベースにしながら、さまざまな技巧を駆使して作り出す声と言えます。

本項では、歌声の特徴を物理的な観点や歌唱技術の関与について解説します。

歌声の物理的な特徴

歌声も、基本的には声帯の振動によって生じる音波です。しかしながら、地声と比較していくつかの重要な違いがあります。

  • 周波数範囲:歌声は地声よりも広い周波数範囲をカバー
    (例:テノール歌手は約120Hz~500Hz、ソプラノ歌手は約250Hz~1000Hzの範囲をカバー可能)
  • 音圧:地声よりもやや大きくすることが可能
  • 倍音構造:意図的に高次の倍音がより強調し、「豊かな」音色につなげることが可能

歌声は、上記の要素を総合的にコントロールすることで、地声よりも広い音域、豊かな音色、強い音量、そして多様な表現を可能にします。ただし、これには多くの訓練や技術が必要となります。

歌声の音色の特徴

歌声は、地声に技術的な要素を加えて、様々な音色を生み出します。以下には、歌声と地声の違いを歌唱技術別に記載します。

a) 呼吸:歌声では意識的な腹式呼吸を用い、長いフレーズや細かい音量調整に対応します。
一方、地声では無意識的な胸式呼吸が主で、短い発話に適しています。

b) 発声:歌声では、以下で示す声区を用いて声帯の意識的にコントロールし、さまざまな音色を奏でます。

  • 胸声(チェストボイス):低音域で使用され、胸部に振動を感じる声区。声帯が厚く、完全に閉鎖し、地声に近い音色を奏でます。
  • 頭声(ヘッドボイス):高音域で使用され、頭部に振動を感じる声区。声帯が薄く、部分的に閉鎖します。柔らかく、透明感のある音色です。
  • ミックスボイス:胸声と頭声の中間的な声区。両方の特徴を併せ持ち、広い音域で使用できます。

なお、地声では主に胸声を使用するため、高音域での発声に限界があります。
一方、歌声では上記の声区を適切に使い分けることで、より広い音域と豊かな表現が可能になります。

c) 共鳴:歌声では口腔、咽頭腔に加え、鼻腔や頭蓋骨も意識的に使用し、豊かな響きを作り出します。
一方、地声では主に口腔と咽頭腔での自然な共鳴が中心で、個人の身体的な特徴に依存します。

d) 表現:歌声では、意図的な感情表現や抑揚を用いたり、こぶしやビブラートなどで声を装飾したりします。
一方、地声では自然な感情表現が主で、個人の性格や経験に基づく表現が中心です。

このように、歌声は上記の要素を総合的に活用することで、個性的な地声を基盤としつつ、豊かな表現力を持つ歌声を作り出すことができます。

地声と歌声の違いを知って歌唱力をアップさせよう!まとめ

今回は、地声と歌声の違いを特徴や科学的な側面から解説しました。

地声と歌声の違いは、無意識に出すか、意図的に出すかの違いです。そこで、それぞれの特徴を活かせば、歌唱力は確実に向上すると期待できます。
すると、感情をより表現できる歌声になり、歌う楽しさも倍増するかもしれません。

本記事が、あなたの歌声が聴く人の心に深く響く礎になりますように!

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