ビブラート&ロングトーンは、精密採点Aiの点数アップにおいて重要な要素の1つです。
そのため、精密採点Aiにおけるビブラート&ロングトーンの傾向を知ると、より高得点が狙えると予想されます。
そこで、今回は精密採点Aiにおけるビブラート&ロングトーンの傾向を定義や統計結果から紐解きます。
精密採点Aiでのビブラート&ロングトーンの傾向
上図は、ビブラート&ロングトーン(以下、V&L)の点数と、それぞれの評価値の和をプロットした散布図です。
(V&Lは、それぞれ10点満点で評価されます)
この散布図より、精密採点AiにおけるV&Lでは、以下の傾向がつかめます。
- V&L 80点:合計12点以上
- V&L 90点:合計16点以上
このように、V&Lはどちらか一方のみではなく、双方共に満遍なく得点する必要があるとわかります。
また、下記は精密採点AiにおけるパラメータとV&Lの相関係数を調べた表です。
パラメータ | ビブラートとの相関係数 | ロングトーンとの相関係数 |
---|---|---|
音程 | 0.30 | 0.30 |
安定性 | 0.43 | 0.41 |
表現力 | 0.15 | 0.11 |
リズム | -0.02 | -0.04 |
これにより、V&Lは音程および安定性に相関が有り、表現力とリズムには相関があまり無いとわかります。
上記は、ビブラートおよびロングトーンが正しい音程と発声の基に成り立つ技術であることを示します。
そのため、ビブラートおよびロングトーンの技術を取得すると、逆説的に発声の正しさにつながると言えるでしょう。
精密採点Aiにおけるビブラートの考察
DAM公式サイトでは、ビブラートを以下のように紹介しています。
歌に余韻をもたらすため、音程を上下に揺らすこと
DAM公式サイト
そのため、上図のように音程の振幅や周期によりビブラートの綺麗さを判定していると考えられます。
本項では、精密採点Aiにおけるビブラートの点数について調査します。
ビブラートの種類
表記 | 名称 | 詳細 |
---|---|---|
A,B,C | ボックス型(上図参照) | ・音程の起伏と周期が一定 ・起伏は数字、周期は英字と表される |
D | 上昇型 | 音程が起伏しながら上昇する |
E | 下降型 | 音程が起伏しながら下降する |
F | 縮小型 | 音程の起伏がだんだん小さくなる |
G | 拡張型 | 音程の起伏がだんだん大きくなる |
H | ひし形 | 音程の起伏が拡大後、縮小する |
N | 無し | ビブラートが検出されていない |
精密採点Aiで検出されるビブラートには、上記のような種類が検出されます。その中で、ボックス型のビブラートが点数アップに最も有利だとされています。
上図は、ビブラートの種類における平均点を比較した図です。これにより、ボックス型ビブラートは他のタイプと比べて、やや平均点が高いと分かります。
また、当サイトの歌唱データでは、ボックス型のみがビブラート評価10点として検出されています。そのため、精密採点Aiではボックス型のビブラートが重要だと言えるでしょう。
(評価9点までは、他のタイプの検出有)
ビブラートの回数と秒数
上図は、ビブラート評価点と1回当たりの時間(秒)の相関を示した散布図です。これにより、1回のビブラートをより長く保つ方が点数アップに有利だとわかります。
また、精密採点Aiではビブラート評価点が”0点”となる条件も存在します。以下の図は、ビブラート評価点と合計時間を表した表(0秒~3秒を強調)です。
上図から、ビブラートの合計時間が1.5秒以下になると”0点”とわかります。そのため、精密採点Aiでビブラート評価点を上げるには、以下が必要だと言えます。
- ボックス型のビブラートを使用する
- 1回当たりのビブラートを長く保つ
- ビブラートの合計時間を1.5秒以上にする
上記より、ビブラートの点数アップには、声を長く保つ技術が不可欠だとわかります。
ビブラートの出し方
ボックス型のビブラートを目指すためには、以下のポイントに注意して練習すると効果的です。
- 身体をリラックスさせる
身体(特に首や喉)が緊張していると滑らかな発声につながりにくい傾向があります。そのため、身体をリラックスさせて、緊張を和らげることが重要です。
- 息の長く保つ
ビブラートを上手くコントロールするには、息を長く保つ必要があります。そのため、ビブラート前に大きく息を吸い、身体に空気を溜めることが重要です。
上記より、ビブラートの習得には腹式呼吸の習得が必要だと言えます。以下の記事では、腹式呼吸の仕組みや方法を解説しているので、あわせてどうぞ。
- ゆっくり音の高さを変える
ビブラートの練習は、ゆっくりと音の高さを上下させ、徐々に速度を上げていくイメージで行います。すると、連続的に文字を発声する感覚になり、次第に滑らかなビブラートへと近づいていきます。
また、ビブラートの歌唱時には母音を伸ばすイメージも重要です。
例えば、「か」「さ」などの子音をそのまま伸ばすのではなく、「かあ」「さあ」のように子音の後に母音を付け足して歌うと歌いやすくなります。
他にも、ビブラートの練習にはビブラートを多く使用されている作品を歌うとイメージしやすくなります。
なお、練習時には高音パートなどではなく、自分の最も歌いやすい音域で試すと良いでしょう。
精密採点Aiにおけるロングトーンの考察
DAM公式サイトでは、ロングトーンを以下のように紹介しています。
一回の息で同じ高さの音を長い時間発すること
DAM公式サイト
そのため、精密採点シリーズにおけるロングトーンは息を長く吐き続ける技術が評価されているとわかります。
本項では、精密採点Aiにおける音程や安定性とロングトーンの違いや点数アップのコツを考察します。
音程や安定性との違いを考察
ロングトーンは、音程や安定性の点数と相関があることもあり、やや性質が似ている項目です。
そこで、以下ではロングトーンと音程および安定性の評価の違いを考察します。
- 音程との違い
音程の項目は、楽曲全体の音程と歌唱時の音程における差異をパーセンテージで評価します。そのため、音程バー内で多少の音程のズレや声の途切れがあったとしても、曲全体から見た割合が少なければ、大きな影響を与えません。
一方、ロングトーンは長い音程バー内の音程を評価します。
したがって、音程は曲全体を、ロングトーンは長いバーをそれぞれ評価しているとわかります。
- 安定性との違い
安定性は、各音程バー内の音程や発声に不安定さが無いかをチェックする項目です。そのため、音程バーの長短に拘わらず、1つ1つの音程バーに適用されると考えられます。
一方、ロングトーンは長い音程バーを一息で歌い切ることに重点を置いた項目です。
そのため、ビブラートなどの歌唱技術を用いずに音程バーの端から端までを歌い切ることが評価につながると考えられます。
ロングトーンのコツ
ロングトーンの点数アップには、以下の点に注意して歌うと良い考えられます。
- 息の量を均等に保つ
ロングトーンは、長い音程バーを一息で歌い切る必要があるため、ビブラートを使う時よりも息を長く保つ必要があります。
特に、声量の変化は音程にも影響を与えるので、均等に息を使いながら発声することがポイントです。
- 音程バーに集中する
歌唱時に、歌詞の把握や歌唱テクニックに意識が向くと、吐き出す息や音程の正確性に少なからず影響を与えます。
そのため、ロングトーンを行う音程バーでは、力を抜いて、何も考えずに歌うことが大切です。
- 声の響きを意識して歌う
歌唱時に、身体に緊張や強張りがあると、声の震えにつながります。
そのため、声の響き(共鳴)を意識して歌うと、音の詰まりや声の震えが少なくなると期待できます。
以下の記事では、共鳴する歌声について考察しているので、あわせてどうぞ。
また、当サイトでは、精密採点Aiの歌唱経験により、ロングトーンが1曲の内で1回以上検出されると点数化につながると推測しています。
そのため、ロングトーンは1曲に付き3フレーズ程度の意識で歌うと、取りこぼしなく点数化につながりやすいと考えられます。
【精密採点Ai】ビブラート&ロングトーンの傾向を知って点数アップにつなげよう!まとめ
今回は、精密採点Aiにおけるビブラート&ロングトーンをそれぞれの定義や統計結果から紐解きました。
ビブラート&ロングトーンは、どちらの項目も長く息を保つ技術が求められます。そのため、お腹に溜めた空気を吐き出すイメージで歌うと点数化につながると期待できます。
また、ビブラート&ロングトーン以外の採点項目についても、当サイトでは詳しく記載しています。
そこで、以下の記事なども参考にしながら精密採点Aiの点数アップにつなげていいただければ幸いです。
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