皆さんは、精密採点Aiの総合点数の詳しい仕組みをご存じでしょうか?
精密採点Aiの総合点数は、歌唱後に表示される結果画面において最も大きく表示される点数です。
また精密採点Aiの総合点数は、レーダーチャートに表示される5つの項目やAi感性ボーナスにより構成されています。
そこで今回は、精密採点Aiの総合点数の決め方やレーダーチャートとの相関関係を調査していきます。
総合点数とは?
精密採点Aiにおける総合点数は、レーダーチャートに表示される以下の基本5値とAi感性ボーナスで決まります。
- 音程
- 安定性
- 表現力
- ビブラート&ロングトーン
- リズム
では、総合点数と上記の基本5値やAi感性ボーナスにはどのような相関関係があるのでしょうか?
本項では、総合点数とAi感性ボーナスの関係と相関関係の評価方法を紹介します。
総合点数とAi感性ボーナスの関係
精密採点Aiの総合点数とAi感性ボーナスは、以下の関係があります。
素点とは、レーダーチャートに表示される基本5値から決められる点数です。
精密採点Aiの採点結果の画面では、素点が表示された後にAi感性ボーナスが加算される演出がされています。
また、Ai感性ボーナスは歌唱画面の右横にあるAi感性メーターで確認でき、Ai感性ボーナスとして採点結果に反映されます。
しかしながら、DAMの公式サイトでは基本5値とAi感性ボーナスの相関関係を公開していません。
そこで、ざワルームでは素点やAi感性ボーナスと基本5値の相関関係を見るために、相関係数という方法を使って調査を進めます。
相関関係をどのように評価するの?
2つのパラメータの関係を調べる際に、よく使われる指標の1つに相関係数があります。
相関係数とは2つのデータの関係の強さを数値で表したもので、‐1から+1までの数値で表されます。
また相関の強さは、以下のような評価方法が一般的です。
▼相関係数の評価方法
相関係数 | 評価 | 相関の種類 |
0.7~1.0 | 強い相関がある | プラスの相関 |
0.4~0.7 | やや相関がある | |
0.2~0.4 | 弱い相関がある | |
0~0.2 | 相関がほとんどない | |
-0.2~0 | マイナスの相関 | |
-0.4~-0.2 | 弱い相関がある | |
-0.7~-0.4 | やや相関がある | |
-1.0~-0.7 | 強い相関がある |
上の表のように相関係数は、2つのデータが+1もしくは‐1に近づくほど関係性が強くなり、0に近づくほど関係が弱くなるとされています。
また、相関の種類は以下の2つがあり、データ同士の関係性を見ることが可能です。
- プラスの相関:片方のデータが増えると、もう片方のデータも増える
- マイナスの相関:片方のデータが増えると、もう片方のデータが減る
次項では、上記で紹介した相関係数を使って、素点やAi感性ボーナスと基本5値の関係を調査してきます。
素点/Ai感性と各パラメータの相関関係を調査!
前項では、総合点数とAi感性ボーナスの関係と相関関係の評価方法を紹介しました。
そこで本項では、ざワルームで採取した約900曲の歌唱データを基に、以下の項目の相関関係から総合点数とAi感性ボーナスの関係を紐解いてきます。
- 素点と基本5値の関係
- Ai感性ボーナスと基本5値の関係
それでは、順に見ていきましょう。
素点と基本5値の関係
本項では、素点と基本5値(音程・安定性・表現力・ビブラート&ロングトーン・リズム)の関係を散布図と相関係数から調査していきます。
1.音程
下の図は、横軸を素点、縦軸を音程として素点と音程の関係を示した散布図です。
上図からもわかるとおり、素点と音程の相関係数は0.83と強い相関を示しています。
そのため、精密採点Aiの素点をアップさせるには音程を最優先に考える必要があると言えるでしょう。
2.安定性
下の図は、横軸を素点、縦軸を安定性として素点と安定性の関係を示した散布図です。
素点と安定性の相関係数も、やや相関のある0.44です。
安定性は、音程が正しいまっすぐな発声を評価するため、素点と関りの深い音程の影響を受けていると考えられます。
また、上の散布図では素点が90点から95点にかけてバラツキが少なくなっていることがわかります。
そのため、95点以上の高得点を目指す時には、安定性の向上が必要だと言えるでしょう。
3.表現力
下の図は、横軸を素点、縦軸を表現力として素点と表現力の関係を示した散布図です。
素点と表現力の相関係数は、弱い相関のある0.23です。
そのため、表現力は素点への影響度が低いと考えられます。
しかしながら、表現力は次項で述べるAi感性と関係が深いとされているため、95点以上の高得点を狙う時には必須の項目となります。
4.ビブラート&ロングトーン
下の図は、横軸を素点、縦軸をビブラート&ロングトーンとした散布図です。
素点とビブラート&ロングトーンの相関係数は、やや相関のある0.59です。
また、ビブラート&ロングトーンは安定性と同じく、90点から95点にかけてバラツキが少なくなる傾向であり、高得点に必須の要素と言えるでしょう。
特にロングトーンは、一定の音程を長く保つことが評価されるので、音程と関りの深い項目です。
そのため、安定性と同じく素点との相関が強くなっていると推察されます。
5.リズム
下の図は、横軸を素点、縦軸をリズムとして素点とリズムの関係を示した散布図です。
素点とリズムの相関係数は0.07とほとんど相関がないことがわかります。
しかしながら、リズムが合っていないと音程を外していると認識されるケースもあり間接的に点数が下がる原因となります。
そのため、リズムが90点を下回るケースでは、リズムバーを意識した歌唱を心がけましょう。
素点と基本5値の関係を考察する
本項では、素点と基本5値の関係を考察していきます。
下の表は、素点と基本5値の相関係数および評価をまとめたものです。
▼素点と基本5値の相関係数まとめ
基本5値 | 相関係数 | 評価 |
音程 | 0.83 | 強い相関がある |
安定性 | 0.44 | やや相関がある |
表現力 | 0.23 | 弱い相関がある |
ビブラート&ロングトーン | 0.59 | やや相関がある |
リズム | 0.07 | 相関がほとんどない |
精密採点Aiでは、音程が素点と非常に関りが深いことがわかります。
さらに、音程の要素が前提となる項目(安定性・ビブラート&ロングトーン)の相関がやや強い傾向にあると言えるでしょう。
また、上の表から素点と表現力やリズムの相関が弱いことがわかります。
しかし、これらはAi感性ボーナスへの影響力があるので、高得点を狙う時は意識する必要があります。
採点項目の詳細は下の記事に詳しく記載されていますので、あわせてどうぞ!
Ai感性ボーナスと基本5値の関係
本項では、Ai感性ボーナスと基本5値(音程・安定性・表現力・ビブラート&ロングトーン・リズム)の関係を散布図と相関係数から調査していきます。
Ai感性は、以下の8つの要素が加点対象です。
- しゃくり
- こぶし
- ファール
- ビブラート
- アクセント
- ハンマリング
- ヒーカップ
- エッジボイス
そこで、以下では基本5値とAi感性ボーナスの散布図や相関係数を基に、Ai感性8要素との関係を見ながら考察していきます。
1.音程
下の散布図は、横軸をAi感性ボーナス、縦軸を音程としてAi感性ボーナスと音程の関係を示しています。
Ai感性ボーナスと音程の相関係数は、弱い相関を持つ0.22です。
Ai感性8要素の中で、音程と関りのある要素は”ハンマリング”です。
ハンマリングは、音程バー内で音程を下から上に変化させる技術で、音程正答率が高いことが前提の評価項目とされています。
そのため、音程にAi感性ボーナスとの関係に現れたと推察されます。
2.安定性
下の図は、横軸をAi感性ボーナス、縦軸を安定性としてAi感性ボーナスと安定性の関係を示した散布図です。
Ai感性ボーナスと安定性の相関係数は0.08とほとんど相関を持っていないことがわかります。
この結果は、安定性が音程の正しいまっすぐな発声で評価されるため、Ai感性8要素との関りが極めて薄いからだと推察されます。
そのため、Ai感性アップを目的にした場合はあまり気にする必要がないかもしれません。
3.表現力
下の図は、横軸をAi感性ボーナス、縦軸を表現力としてAi感性ボーナスと表現力の関係を示した散布図です。
Ai感性ボーナスと表現力の相関係数は、やや相関がある0.54です。
表現力の評価項目は、Ai感性8要素のうち”しゃくり”、”こぶし”、”フォール”の3つが重複しています。
そのため、基本5値ではAi感性ボーナスと最も密接な関りがあると言えるでしょう。
しかし、裏4値と呼ばれるアクセント・ハンマリング・ヒーカップ・エッジボイスは、表現力の評価に直結しないので、Ai感性ボーナスと表現力の関係をやや弱めていると推察されます。
4.ビブラート&ロングトーン
下の図は、横軸をAi感性ボーナス、縦軸をビブラート&ロングトーンとした散布図です。
Ai感性ボーナスとビブラート&ロングトーンの相関係数はほとんど相関がない0.16です。
ビブラート&ロングトーンには、Ai感性8要素の1つである”ビブラート”が含まれています。
しかし、この項目の評価にはロングトーンを含むことやAi感性の他7要素の影響で、相関関係が弱まっていったと予想されます。
5.リズム
下の図は、横軸をAi感性ボーナス、縦軸をリズムとしてAi感性ボーナスとリズムの関係を示した散布図です。
Ai感性ボーナスとリズムの相関係数は弱い相関がある-0.31です。
その理由は、しゃくり・アクセント・エッジボイスの影響だと考えられます。
アクセントは、音程バーのあたまのリズムがピッタリ合っているかを評価する項目です。
また、しゃくりやエッジボイスも音程バーのあたまで使われることが多く、リズムのずれによる影響を受けやすいと予想されます。
そのため、Ai感性ボーナスとリズムの関係に相関関係が生まれたと推察されます。
Ai感性ボーナスと基本5値の関係を考察する
本項では、Ai感性ボーナスと基本5値の関係を考察していきます。
下の表は、Ai感性ボーナスと基本5値の相関係数および評価をまとめたものです。
▼Ai感性ボーナスと基本5値の相関係数まとめ
基本5値 | 相関係数 | 評価 |
音程 | 0.22 | 弱い相関がある |
安定性 | 0.08 | 相関がほとんどない |
表現力 | 0.54 | やや相関がある |
ビブラート&ロングトーン | 0.16 | 相関がほとんどない |
リズム | -0.31 | 弱い相関がある |
Ai感性ボーナスは、Ai感性8要素と関りが深い項目ほど相関関係が強くなることがわかります。
また、リズムがマイナスの相関関係を持っている理由は以下のケースが考えられます。
- アクセントを狙ってリズムが走り気味になる
- しゃくりやハンマリングを行ってリズムがややタメ気味になる
以上より、素点と相関がほとんどないリズムの評価を下げて、しゃくりやハンマリングを使い、点数をアップさせる方法も考えられます。
しかし、98点以上の高得点を狙う場合はリズムの評価も無視できないので、表現力に加えてリズムの評価も意識する必要があると言えるでしょう。
【精密採点Ai】音程が攻略のカギ⁉総合点数と素点/Ai感性の関係を調査!まとめ
今回は、総合点数と各パラメータの関係を調査するため、総合点数を素点とAi感性ボーナスにわけて調査を進めました。
素点では音程、Ai感性ボーナスでは表現力の関りが深いことがわかりましたね。
本記事を参考が、精密採点Aiの点数向上につながれば幸いです。
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